立合い変化

2016年1月17日 (日)

極めて珍しい、琴奨菊が立合い変化されても勝つ、6日目松鳳山戦(羽黒蛇)

極めて珍しい、琴奨菊が立合い変化されても勝つ、6日目松鳳山戦(羽黒蛇)

 

照ノ富士が大関初挑戦の場所の初日に琴奨菊と対戦し、立合い変化で一瞬の勝利。平成26年の9月場所。変化を批判された照ノ富士が、「変化すれば勝てると分かっているのに、」と不満そうだった印象あり。「楽に一つ勝つより自分の相撲をとって負けてもよい」と指導されたと想像する。

琴奨菊の若い頃の相撲まで明確に覚えていないが、少なくとも三役に定着して、大関を目指す頃から、立合いに変化されて、相手についていった相撲を見た記憶が私にはない。ついていくどころか、ものの見事に前のめりに手をついて負ける。

琴奨菊と対戦する力士が変化しないのは、勝つ可能性を減らし、負ける可能性を増やすから、八百長ではないか、とさえ思っていた。

 

珍しく、6日目、松鳳山に変化されても、ついていき一気に勝った琴奨菊。

松鳳山の変化が中途半端だったのか、調子のよい琴奨菊が相手を見て相撲がとれているのか、複合要因であの相撲になった。

極めて珍しい。

 

私は相撲観戦する時、立合い変化があると、

WW 変化した方が一瞬で勝つ

W  変化だけでは決まらなかったが、相撲をとってから、変化した方が勝つ

L  変化だけでは勝てず、相撲をとってから、変化した方が負ける。

LL 変化した方が一気に負ける。

通常はWWとWの合計(変化した方が勝つの)が7割から8割、LLは珍しい。

 

6日目の松鳳山、7日目十両最後の一番(青狼がLL、勝ったのは大翔丸)、8日目、インフルエンザから復帰の安美錦がLL(勝ったのは碧山、安美錦は宙に飛んで手をつく)。

LLが多いのは、相撲内容がよいと評価したい。

 

WWを減らすには、立合いで相手を見て立たなくてならない。相手を見ないでぶつかってくる相撲道に反する力士には、どんどん変化して、負けさせて、反省させて、相撲道にのっとった立合いを身につけさせる必要がある。ただ相手を見るだけではだめで、腰を割って立つのが肝要。

 

読者からの質問「初日の取り直しは、年齢的に体力のない安美錦が立ち会い変化に出てくるのは、ど素人でも予測できたのに、まともに突っ込んで負けるのは、稀勢の里は頭が悪いのか???」

羽黒蛇回答:稀勢の里は当然安美錦が変化してくると予測していたと思います。しかし、相手が変化した場合の対処方法を稽古していないので、体が勝手に動いて前に出たのだと想像します。突っ込まないで、相手の立合いを見ることを、稽古と本場所の両方で励行する必要があると、初日の稀勢の里を見て感じました。

 

羽黒蛇

2015年11月30日 (月)

北の湖、鶴竜、立合い変化、協会に残る気持ち、土俵の充実、相撲記事の感想(羽黒蛇)

北の湖、鶴竜、立合い変化、協会に残る気持ち、土俵の充実、相撲記事の感想(羽黒蛇)

 

スポーツ新聞より、北の湖理事長について高砂親方

弟子の朝青龍が不祥事を起こした時、師匠としての立場を尊重してもらった。

『オレが言うべき時は言ってあげる』と支えてくれた。

北の湖さんがいなかったら、青龍はもっと早く辞めさせられていたはずだ。

力士のことを第一に考える人だった。懐が深かった。

 

羽黒蛇感想!朝青龍に引退勧告した相撲協会は貴重な人材を失った。行いに対するペナルティが必要なら、引退・解雇ではなく、序ノ口への陥落という「相撲を続けることが可能な制度」を確立すべき。公益法人なのだから、日本国民の財産(力士のこと)を安易に処分してはならない。

 

スポーツ新聞より、北の湖について輪島

一度掛けた技は二度と通用せず、頭のいい力士だった。運動神経が抜群だった。

羽黒蛇感想!北の湖は何度も輪島の左下手投げに敗れた。何度も通用している。

 

雑誌「相撲」11月号5頁、鶴竜のインタビュー

==9月場所千秋楽は本割りは照ノ富士に敗れました

鶴竜:まさか(照ノ富士が)あんなに元気だとは思っていませんでした。決定戦では、しっかりと自分の相撲が取れたと思います。

羽黒蛇感想!これが本心なら、照ノ富士に12勝目を譲ったという陰謀史観は否定される。

 

雑誌「相撲ジャーナル」12月号、32頁、逆鉾のもろ差し本音トーク 事実上の優勝がかかった一番で、対戦成績も圧倒されている稀勢の里に対して変化したことが、どうして問題視されるのか、私には理解できません。もちろん、堂々とした横綱相撲で勝てば一番いいのでしょうが、体に恵まれているわけでもない鶴竜にとって毎日が精いっぱいなのです。

 

昭和30年代の栃若の水入り取り直し、若ノ花が右に変化して勝利。若ノ花が見せたような勝ちへの執念が大切。

羽黒蛇補足!昭和331月場所14日目。大関若ノ花、場所後横綱に昇進。この一番は、相撲新論 (1968) 豊平 悠三 ()が論じている。

羽黒蛇補足!逆鉾(井筒親方)の最高の面白発言(羽黒蛇推定)は、「星の貸し借りは八百長ではない」だと思います。八百長問題が新聞をにぎわせていた時に、某親方の発言としてスポーツ新聞に出ていましたが、いかにも井筒親方が言いそうな発言だという感想を(当時)持ちました。

 

雑誌「大相撲ジャーナル」12月号23頁、荒井太郎 土俵の鬼初代若乃花、優勝を左右する一番では、格下の相手に臆面もなく立合いの変化で勝ちにいく相撲が少なくない 例えば横綱昇進がかかっていた昭和33年初場所、千秋楽の小結若前田に勝てば優勝の一番は、いきなり右に変わって上手出し投げ

羽黒蛇感想!大関若ノ花、14日目栃錦、千秋楽若前田、連続立合い変化。

 

荒井太郎記事(続き)

元横綱三代目若乃花の花田氏。 『横綱に変化するな』というのは体の小さい力士は『横綱になるな』と言っているようなもの。そういうムードはマスコミが作り出していると思う。 羽黒蛇感想!体の大きい力士の大味な相撲では土俵は充実しない。

 

 

雑誌「相撲」127頁、1030日大分県別府市での白鵬の発言。 「三年前に力士会で双葉山の銅像を建てましょうと言ったが待ったがかかった。私が親方として相撲協会に残れば、国技館に双葉山の銅像を建てることをお約束します。」

羽黒蛇感想!白鵬は親方として協会に残る気持ち満々。

 

日刊スポーツ1123日高砂親方

白鵬は鶴竜戦にしろ後半戦は集中しきれていなかった。猫だましにしても、自分の相撲を取りきることに集中していれば、全くやる必要なんかないんだ。何かはき違えているようで、気になるな。

羽黒蛇感想!白鵬は相撲が乱れて優勝できないとしても、猫だましをやった横綱として名を残したかった。

 

日刊スポーツ1123日今村健人記者

北の湖理事長は「土俵の充実」を一番に掲げた。優勝争いが最後まで分からない場所こそ、最高の充実。

八角理事長代行は「いい相撲を取ってお客さんに喜んでもらうことが一番」

羽黒蛇感想!八角は正しく、今村記者は間違っている。優勝争いが面白いか、独走となってしまうかは、偶然に左右される。充実とは関係ない。

「土俵の充実」とは、どんなにつまらない優勝争いでも、相撲の内容でお客さんが満足する相撲を取ること。

むしろ、優勝独走の場所は、充実した土俵を見せるチャンスと、力士は前向きに頑張るべき。

 

羽黒蛇

2015年11月20日 (金)

白鵬の猫だましを解釈・邪推する(羽黒蛇)

白鵬の猫だましを解釈・邪推する(羽黒蛇)

 

立合い猫だまし。こわくはなかったのだろうか。こわかったはずだ。立合いに攻めず、受けも不十分。危険な技を繰り出すにしては、相手を倒す可能性も高まらない。ほとんど、メリットのない技をかけるとは、余程勝つ自信があったのか、または、余程相手の強さをおそれたか。白鵬にとって栃煌山はどっち?

 

「実力差のある格下の相手を奇襲でもてあそんだとの印象」という評があったが栃煌山は格下ではない。白鵬がたまたま勝ったからそう見えただけ。「横綱が猫だましで負けたら笑いもの」という評の方が真実に近い。相撲を一番知っている北の湖理事長の発言である。 

白鵬も北の湖と同じ意見。「横綱が猫だましで負けたら笑いもの」と思いながら、ハラハラした心境で相撲を取った、猫だましを試した、と思います。

私は、「危なかった、負けなくてよかった」と思った

 

大鵬が生きていたら、白鵬は猫だましなど、恥ずかしくてできなかったはず。大鵬が死んでから、白鵬に緊張感がなくなっている。

横綱が猫だましとは品格がないという通り一遍の評価は、私は言わないが、「相撲がゆるんでいる」と感じる。横綱の相撲が、初っ切りに近づいているような印象をもった。

 

私は双葉山は好きだが、神格化された双葉山は好きではない。白鵬は神格化されることはないから好きだ。

白鵬は双葉山を手本として精進していたはずだが、双葉山の相撲・品格・人格とは、どんどん違う力士となってきた。私には、白鵬は「わざと神格化されないように、ふるまっている」ように見える。

 

羽黒蛇の推理。鶴竜が先場所の変化相撲で批判された。白鵬4日目嘉風に「相手が見えすぎて」立合い横に動き一瞬で勝つ。栃煌山には立合い変化してでも勝ちたいが、変化されたら批判される。立合い変化より「大きな驚き」を与えれば、変化批判はされない。猫だまし批判はされるけれど。立合い変化を批判されるよりは、猫だましを批判される方が、白鵬にとっては好ましい。立合い変化という木を、猫だましという森に隠した。

 

猫だましをするほど、白鵬の実力は落ちているが、まだ他の力士より相対的に強い。

 

羽黒蛇

2015年11月15日 (日)

立合い変化、一瞬で勝ってしまうから面白くない。一瞬で負けるのも面白くない。(羽黒蛇)

 

立合い変化、一瞬で勝ってしまうから面白くない。一瞬で負けるのも面白くない。(羽黒蛇)

 

 

 

8日目、照ノ富士が立合い変化するも、豪栄道が一気に勝つ。徳勝龍も変化して、宝富士に一気に寄られる。変化した力士が一気に負けてしまう相撲は、昔は多かったが、今は少なく珍しい。逆に、変化された力士が一瞬で負ける相撲は、昔は少なかったが、今は多い。

 

照ノ富士の敗因は変化が中途半端だったから。

 

 

 

20149月場所、逸ノ城が、11日目稀勢の里、13日目鶴竜と立合い変化で勝った。中途半端ではなく、思い切って変化していた。その後停滞している逸ノ城を見ると、弱い力士が、強い大関・横綱に勝つために、立合い変化したと言える。

 

 

 

弱い力士が、強い力士に立合い変化した代表例が、9月場所14日目の横綱鶴竜と大関稀勢の里の一番。番付は鶴竜が上だが、強さは稀勢の里が上。かつ、鶴竜は稀勢の里に対して相性が悪く、立合い当たっていったら勝てない。変化しないと勝てないのに、変化しなかったら、わざと負けたことになる。

 

 

 

相撲はスポーツではなく美術品だと解釈すると、横綱が立合い変化するのは美しくないから不可である。勝負より、美が優先される。鶴竜の立合い変化を非難した相撲ファンは、負けてもよいから立合い変化しない横綱を求める。勝負を度外視する「相撲を美術として鑑賞する」ファンが多いのは意外である。

 

 

 

私は相撲の「美しさ」と「面白さ」の両方が好きだ。しかし、「美しさ」より「面白さ」を求める。立合い変化に対する優先順位は次の通り。

 

一番:両者変化せず面白い相撲。

 

二番:立合い変化したが面白い相撲。

 

三番:両者変化せず、つまらない相撲。

 

四番:立合い変化、相手は一瞬でバッタリ。

 

 

 

鶴竜と稀勢の里の対戦、鶴竜が一方的に負ける相撲が多い。そんな相撲を見るくらいなら、鶴竜が変化して攻防のある相撲の方が面白い。14日目国技館で観戦したが、つまらない相撲でなかったのに満足。鶴竜変化を非難する気持はわかなかった。

 

鶴竜は開き直って、稀勢の里戦は毎場所変化したら如何?

 

 

 

私は鶴竜が変化しなければ稀勢の里に勝つ確率3割、変化すれば6割程度とみている。従って、「横綱だから変化してはいけない」という意見には、「鶴竜は稀勢の里に、わざと負けなさい。八百長しなさい。」と聞こえる。

 

 

 

横綱鶴竜、大関稀勢の里という番付に惑わされているファンが多い。横綱より強い大関は歴史的にも多い。

 

鶴竜は(稀勢の里より相対的には)弱いが、取りこぼしが少ないので成績は稀勢の里よりよい。その結果、鶴竜が横綱、稀勢の里が大関と、番付が逆転している。日馬富士は横綱になった当時より力が落ちたので、今は稀勢の里の方が強い。

 

相撲の強さは、番付や勝ち数だけではない、故に面白い。

 

 

 

9月場所、鶴竜は、栃煌山戦も立合い変化した(一瞬で勝つ、つまらない相撲)。これも、弱い鶴竜が、強い(稀勢の里ほど強くないが実力者であり、鶴竜がまともにいったのでは負ける可能性が高いという意味で強い)栃煌山に変化したのだから、私は非難しない。私が非難するのは一瞬で負けた栃煌山。

 

 

 

立合い変化で、変化した方が勝つのは、変化された方が警戒していないから。

 

立合い変化を警戒しないで、変化して負けるのは、相手が変化した時に備えた稽古をしていないから。

 

相手が変化した時に備えた稽古をしないのは、変化する力士が少ないから。

 

 

 

変化する力士が少ないのは、師匠が「変化するな」と指導するから。

 

師匠が「変化するな」と指導するのは、その方が強くなるから。

 

以上の悪循環により、一番相撲で変化して楽勝する力士が得をする。

 

 

 

「変化するな」という指導が、結果として、美しい相撲をファンに見せている面はある。しかし、相手が変化しないという前提で、立合いの馬力・体力増強に力を入れる力士が増えて、(立合い変化しない、と言う面では)美しいが、技のない「面白くない」力士が増えたという弊害もある。

 

 

 

私は、外国人力士が制限されていることに、賛成も反対もしないが、モンゴル力士の方が、日本力士よりも、相対的に、技のある「面白い」力士が多い。

 

もし、モンゴル力士が一人もいなかったら、魁皇も稀勢の里も横綱になっただろうが、体力優先のつまらない相撲が増えたであろう。

 

 

 

日馬富士と鶴竜が、横綱になっても、頻繁に立合い変化することに対して、「日本人なら変化しない」「モンゴル人には相撲の心は分からない」「師匠が教えないから協会幹部が教えるべきだ」という意見がある。

 

 

 

私は、極論であるが、日本人の相撲の心の分からないモンゴル力士は頻繁に立合い変化して、「くやしかったら、立合い変化を想定した稽古をして、変化されても勝ちなさい」と、日本人力士を諭して欲しい。

 

変化されても攻防のある相撲が見たいから。

 

体格だけで技のない力士は好きではないから。

 

 

 

羽黒蛇

 

2015年9月27日 (日)

鶴竜が立合い変化したのに、勝てなかった稀勢の里(羽黒蛇)

鶴竜が立合い変化したのに、勝てなかった稀勢の里(羽黒蛇)

土曜日に書いたツイート、国技館での観戦の感想
@hagurohebi6: 鶴竜、二度立合い変化。
稀勢の里、鶴竜の立合い変化に対応、負けない。
鶴竜、変化した後、先手を取って攻める。
両者攻防あったが、鶴竜が寄る切る。

立合い変化で勝負が決まらなかったので、相撲は見られた故、観戦者としての不満はない。

@hagurohebi6: 立合い変化は、一発で勝負を決めるだけでなく、先手を取って有利に攻めるのに有効であることを、鶴竜が実例を見せて解説してくれた。

日曜日の朝、ネット新聞記事を読んだ感想
@hagurohebi6: 写真を見ると、稀勢の里の立合いが、相手の鶴竜を見ていないように見える。

http://www.sanspo.com/sports/photos/20150927/sum15092705040001-p2.html

@hagurohebi6: 鶴竜立合い変化は一発で勝負を決めようとする鋭い変化ではなかったが、稀勢の里は土俵際まで進み、たたらを踏む感じ。体勢は崩れた。

http://www.sanspo.com/sports/photos/20150927/sum15092705040001-p3.html

@hagurohebi6: 立合い変化は、変化した力士の体勢が崩れるので、変化された力士が有利。これが相撲の定説。しかし、かなり昔の定説。
鶴竜が変化したら、「ありがとう」という気持ちで、つけこんで押し出すのが、昔の相撲感覚。
それができない稀勢の里は未熟、が昔の相撲感覚。

@hagurohebi6 今の相撲は、立合い変化されると、一瞬で負けてしまう相撲が多発。
鶴竜に変化されても崩れた体勢を立て直し攻めた稀勢の里を褒めてしまう羽黒蛇は、昔からの相撲ファンから、「変化されたら、つけこんで勝てない稀勢の里を叱責すべき」と叱られそう。

羽黒蛇

14日目、鶴竜立合い変化二回、に対する新聞ネット版記事(資料)

14日目、鶴竜立合い変化二回、に対する新聞ネット版記事(資料)

日刊スポーツ
鶴竜、単独トップも2度の変化に失望のため息
[2015年9月26日21時14分]
<大相撲秋場所>◇14日目◇26日◇東京・両国国技館

 満員札止めの両国国技館が、失望のため息につつまれた。2敗の横綱鶴竜(30=井筒)が、3敗の大関稀勢の里(29=田子ノ浦)を寄り倒した。だが、観客は「その前」に敏感に反応した。まばらな拍手に、ブーイングが交じった。横綱として前代未聞の、2度の変化に対してだった。

 目前で、ケガをおして出場した照ノ富士(23=伊勢ケ浜)が敗れた。勝てば単独トップに立つ、結びの一番。鶴竜は立ち合いで右に変化した。これは、手つきが不十分で行司に止められたが、館内がどよめく。その中で、鶴竜は開き直っていた。「勝負に勝とうという気持ちでいった。1度目は慌ててちょっと失敗したので、もう1度、気にせずにいこうと思った」。

 2度目の変化。今度は左に動いた。結局は踏ん張られて、相手得意の左四つに組まれた。勝負を決めたのは、下がりながらの右の巻き替え。もろ差しになって左から振り、すんでのところで体を入れ替えた。敗れれば、取り返しのつかない一番になるところだった。

 変化は決して反則ではない。だが、受けて立つのが、最高位に就く横綱の姿。まして、優勝を占う大一番での注文相撲。胸を張れる勝ち方だとは到底、言えない。

 だが、それ以上に、まだない「横綱初優勝」への思いが強かった。白鵬と日馬富士が不在の今場所。「チャンスを逃したくない」と言う目には、追い詰められた横綱の姿があった。

<大相撲秋場所>◇14日目◇26日◇東京・両国国技館

 横綱鶴竜(30=井筒)が、大関稀勢の里(29=田子ノ浦)を寄り倒した。2敗を守り、優勝争いの単独トップに立った。

 立ち合いでは、鶴竜が2度も変化した。1度目は右に跳んだが、立ち合い不成立でやり直し。2度目は左に跳んだ。稀勢の里に残られ、左四つで押し込まれたが、右を巻き替え、土俵際で逆転した。

 2度の変化について、北の湖理事長(元横綱)は「勝負に徹した」と指摘。藤島審判長(元大関武双山)は「(鶴竜は)余裕があるのか、真っ向からいったら勝てる気がしなかったのか分かりませんが…。(観客の反応は)大歓声ではありませんでしたよね」と話した。

<大相撲秋場所>◇14日目◇26日◇東京・両国国技館

 大関稀勢の里(29=田子ノ浦)が、初優勝のチャンスを逃した。結びの一番で、過去28勝13敗と相性の良かった横綱鶴竜(30=井筒)に敗れ(10勝)4敗目。単独トップの鶴竜と星2つの差がつき、2横綱休場、全勝だった大関の3連敗という絶好のV好機も、夢はついえた。

 最初の立ち合いで鶴竜が右へ変化。これは不成立で仕切り直しとなり、2度目の立ち合い。ここでも鶴竜は、今度は左へ変化した。よもやの左右への変化に、稀勢の里は体勢を崩されながらも対応。西土俵に一度は詰まったが重い腰で残し、左を差して下手を引きつけた。ここから一気に、反対の東土俵まで走ったが、腰が浮き体を入れ替えられ、寄り倒された。

 支度部屋に入るなり「あ~っ!」とうめき声をあげた。座っても悔しさがこみ上げ、剥がした手首のテープを放り投げ、舌打ちや、何やら口ごもるように腹の底から何かを発したが、肉声になるものはなし。最後まで無言のまま、V逸の悔しさをあらわにしていた。

サンケイスポーツ
鶴竜の変化に館内ブーイング「またかよ~」 なりふり構わず2敗死守で単独首位/秋場所

1度目が不成立となり2度目に鶴竜(右)は左へ。2敗をキープしたが、館内からブーイングを浴びた (撮影・今井正人)【拡大】

 美学のみえない戦術に、感動はない。綱の威信にも影が差す。白星だけを取りにいった鶴竜に、満員御礼の館内から「またかよ~」とのため息と、ブーイングが起こる。一度ならず、二度までも。立ち合いの注文相撲で、賜杯を争う大一番の熱気が冷めた。

 「自分が取ろうと思った相撲に集中した。(制限)時間いっぱいで決めた」

 横綱に悪びれた表情はない。1差で追ってくる稀勢の里との立ち合い。右へ大きく変化した。だが、1度目は手つき不十分で成立せず、行司待った。2度目の立ち合いで、今度は左へ跳んだ。「同じところじゃ駄目だと思った」。突っ込んできた稀勢の里をはたき、大きくバランスを崩したが、左四つを許して逆襲を受ける。なんとか右を巻きかえ、最後はもろ差しになって寄り倒した。

 綱を張って9場所目。昇進して初めてめぐってきた賜杯を抱くチャンス。白鵬、日馬富士の両横綱の休場で初めて経験する一人横綱の責任。北の湖理事長(元横綱)はおもんばかって「ちょっと弱気になったか…。まぁ、勝負に徹した」と表現した。

 だが、横綱昇進を諮問される横綱審議委員会の内規には「横綱に推薦する力士は品格、力量が抜群であること」とある。横綱初優勝までの最多所要場所数は照国の7年4カ月、18場所目(本場所開催不定期を含む)。だが、この横綱は立ち合いの変化を忌み嫌った、という。 (奥村展也)

鶴竜の変化に審判長「価値観が異なる…汚い手段」/秋場所
懸賞の束を受け取る鶴竜=東京・両国国技館(撮影・今井正人)【拡大】

 横綱鶴竜が大関稀勢の里を立ち合いの変化から下した一番について、土俵下で見守った藤島審判長(元大関武双山)は「勝利に対する執念かもしれない。ただ、私個人の価値観とは異なる」と厳しく評した。

 藤島親方は現役時代に変化をせず「汚い手段と思っていた。常に真っ向勝負をして、終わった後に胸を張れる相撲を取りたかった」と信念を説明した。同時に「技術の一つ。反則ではないから、やっても構わない」と理解も示した。

 北の湖理事長(元横綱)は「鶴竜は弱気になっていたが、勝負に徹した」と分析。変化に対応して反撃しながら逆転負けの稀勢の里には「焦って攻めすぎた」と詰めの甘さを指摘した。(共同)

スポーツニッポン
鶴竜“2度の変化”に場内騒然…ネットでは「横綱の器じゃない」
大相撲秋場所14日目 (9月26日 両国国技館)

最初の取り組みで変化をした鶴竜(中)は式守伊之助(左端)の左足を右足で踏み取り直しに。右は稀勢の里
Photo By スポニチ
 横綱の“2度の変化”に場内が騒然となった。大相撲秋場所14日目は26日、東京・両国国技館で行われ、優勝争いを繰り広げている2敗の横綱鶴竜と3敗の大関稀勢の里が激突した。

 結びの一番。時間いっぱいとなり、国技館全体の熱気は最高潮に。稀勢の里が勢いよく鶴竜にぶつかろうとすると、横綱がまさかの変化。その直後に立ち合い不成立で取り直したが、またも鶴竜が変化。“2度の変化”に戸惑った稀勢の里は一度体勢を持ち直すも寄り倒しで負け、鶴竜は2敗を死守した。

 しかし、横綱らしくない取組に場内は騒然。ネットでは「何が何でも勝ちたいと思う鶴竜の変化を評価したい」という声もあったが、「格下に変化ばっかりしてるなんて…横綱の器じゃない」「横綱やめてくれ」「残念すぎて開いた口が塞がらない」「一気にヒール役になった気が…」など鶴竜への辛らつなコメントが続いた。

 鶴竜は11日目(23日)の取組でも栃煌山を立ち合いの変化で下し、場内からブーイングを浴びていた。

 稀勢の里との取組後に鶴竜は支度部屋で「(変化について)勝ちたい気持ちが出た」と振り返った。 【14日目取組】

スポーツ報知
 結びの2敗・鶴竜と3敗・稀勢の里の一番はまさかの展開。立ち合いから鶴竜が右に飛んで変化したが手つき不十分で待った。次は鶴竜が立ち合いから左に変化。稀勢の里はこらえて左四つで逆襲に出たが鶴竜に巻きかえられて寄り倒された。横綱らしからぬ注文相撲に館内からはブーイングも飛び交ったが鶴竜は「今日は勝負に勝とうという気持ちでいきました」と弁明した。

毎日新聞
 ◇重責から重ねた変化

 取組前の「稀勢の里」コールは取組後、鶴竜へのヤジに変わった。鶴竜が2度の立ち合い変化の末につかんだ白星。満員札止めの観客は不満をぶつけた。

 最初の立ち合いで右に跳んだが、手付き不十分でやり直し。2度目は左に変化したものの、左を差されて逆襲される。それでも後退しながら巻き替えて土俵際で体を入れ替え、辛うじて寄り倒した。

 張り差しで懐に入ることも考えたという鶴竜。しかし、13勝28敗と合口の悪さも影響し、「勝ちたい気持ちが出た」と、あえて変化を選択したという。立ち合いの変化は11日目の栃煌山戦に続き今場所2回目で、またも勝ちにこだわった。

 在位9場所目で横綱での優勝はない。今場所は一人横綱の重圧が加わる。照ノ富士が失速し、けがで万全ではない状況。北の湖理事長は「優勝をかけた一番」、鶴竜も「(優勝の)チャンスを逃したくない」と、重要性を分かった上での策だ。

 土俵下の藤島審判長(元大関・武双山)は「(現役時代)変化は汚い手段と思っていたから自分はしなかった」と前置きした上で、「反則技じゃない。横綱が2回跳ぶとは思わないから心理勝ちとも言える」。千秋楽の相手は手負いの照ノ富士。奇策に出なくても優位だ。変化の次は、力の差が歴然とした取組。「一人横綱」の重責を果たしたとしても、15日間満員札止めが確実なこの場所の終幕には、何とも寂しい。【佐野優】

 ○…稀勢の里は、雑な攻めから土俵際で鶴竜に双差しを許し、体を入れ替えられて逆転負け。初優勝の可能性が消えた。支度部屋に戻った途端「あー、くそっ」と絶叫。敗戦後のおなじみの光景だが、今回はいらだちが際立つ。鶴竜の2度目の変化にも対応したが、その後の攻めに詰めを欠いた。支度部屋ではため息と舌打ちを繰り返し、取組中の動きを確認するそぶりを見せながら、首をかしげた。

 2006年初場所の大関・栃東以来の日本出身力士の優勝はまたもならず。自らへの怒りをたぎらせたような表情は最後まで変わらなかった。

朝日新聞
綱が泣く2度の変化 鶴竜、勝つには勝ったが
竹園隆浩2015年9月26日23時44分
 事実上の優勝を決定づける一番で、横綱の信じられない光景を見た。時間いっぱいの立ち合いで鶴竜は右へ飛んだ。しかし、手つき不十分で行司の式守伊之助が「待った」。改めて仕切り直した後、今度は左へ。稀勢の里の逆襲で攻め込まれたが、逆転勝ちした。

 館内はブーイングに包まれたが、本人は「勝ちたい気持ちが出た。1度目は失敗したのでもう1回、気にせずやろうと思った。チャンスを逃したくない」。白鵬と日馬富士の休場で初の一人横綱。昇進後、9場所目でまだ優勝がない。追い詰められていたようだ。

 だが、その行為は横綱の権威をおとしめたに過ぎない。土俵下にいた藤島審判長(元大関武双山)は「反則技ではないが、個人の相撲観の違い。これでは優勝しても胸は張れないでしょう」と話した。この一番で気持ちのなえたファンの思いも同じだろう。

 相撲取材を始めて30年近い。横綱の注文相撲は何度か見たが、同じ取組で2度変化したのは記憶にない。角界の最高峰に立つ横綱は歴代71人。「品格、力量抜群」として推挙された地位だ。こんな形で優勝をたぐり寄せたのでは、「綱」の看板が泣いてしまう。(竹園隆浩)

鶴竜、綱が泣く 変化、仕切り直し、また変化 大相撲秋場所・14日目
2015年9月27日05時00分
同文

ネット記事に鶴竜立合い変化の言及なし、読売、中日

2015年9月24日 (木)

鶴竜立合い変化で栃煌山に勝つ。「変化すべきでない」という押し付けが相撲の技を減らしたという説(羽黒蛇)

鶴竜立合い変化で栃煌山に勝つ。「変化すべきでない」という押し付けが相撲の技を減らしたという説(羽黒蛇)

 

今場所のハイライトは、10日目玉鷲が照ノ富士を攻めた大相撲と、11日目鶴竜が立合左に変化して栃煌山に勝った二番。

素晴らしい相撲と、ダメダメの相撲。

お客さんが見てお金を払って相撲を見てよかったと思わせる相撲と、お客さんが失望してためいきをついた相撲。

 

立合いに変化する相撲はよくない。これは大相撲の常識。

しかし、立合い変化しない (相手が変化する可能性は少ない) と分かっているから、「体重と立合いの威力はあるけど、技がない、見ていてつまらない力士」が増えたのではないか。

 

琴奨菊、相手が変化してばったりと負けた相撲は数多く見たが、相手が変化したのについていき相撲がとれた一番を見た記憶がない。栃煌山は琴奨菊ほどひどくないが、タイプは似ているのかもしれない。変化されると対応できないタイプ。

 

そっぷ型だった貴花田が、横綱貴乃花となってから、曙・武蔵丸に対抗するために体が大きくなり、その大きくなり方がステロイドで体格が変わった大リーガーのように異常な増え方で、力には力で対応する大型同志の相撲が増えた。

 

もし、当時、横綱貴乃花のようなそっぷ型は、曙・武蔵丸のような大型力士に対して、「立合い変化して勝ってもよい」という価値観が大相撲で支配的であれば、貴乃花は楽に勝って、

 

大型力士は不利 → 相撲は適度な大きさで動きが早い方が有利 → 大型力士が減り → うっちゃりに代表される、見ていて面白い相撲が増えたのではないか。

 

「横綱は変化してはいけない」「変化は卑怯だ」「変化をする力士は相撲が悪い」という常識をなくして、

「横綱でも変化してよい」「大型力士を減らすために変化を奨励すべきだ」「変化されて負ける力士が悪い」というのが常識になる方が面白い相撲が増える、ような気がする。

 

しかし、立合の変化ですぐ終わる相撲が増えると、相撲人気がなくなる。

そのための対策は、立合い変化で勝負が決まったらもう一番お客さんに相撲を見せる。

変化で勝った方が続けて勝てば2勝、変化で勝った方が負ければ11敗、一日に二番相撲をとる。

 

このルールの利点は、優勝争いをしている鶴竜は、二番とらなくてはならないなら、立合変化して勝ってもしんどい、と思うだとうから、強い力士の立合い変化が減るという効用がある。

 

一方、優勝争いをしていない力士は勝ち越しを目指して、立合い変化でまず一勝をめざすから、立合い変化が増える。その結果、立合い変化に弱い (うちゃりに代表される見て楽しい技ができない) 体重だけの力士が減っていく。

 

うっちゃりに代表される技を繰り出せない力士は、立合い変化でばったり手をつく。この感覚には、読者の皆さんの同意を得られるのではないかと思う。

 

羽黒蛇

 

本場所観戦しながらツイート(羽黒蛇)

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高砂部屋松田マネージャー(元一の矢)の書いた記事。

7月場所9日目、幕下、朝弁慶と大翔丸の立合。

 

朝弁慶は相手より先に腰を割りしっかり両手をつく。

大翔丸はなかなか手をつかない、時間をかけて焦らす。アマチュア相撲でよく見られる立合の駆け引きを存分に使う。朝弁慶、それでも待ったをしないで、両手をついて腰を割った状態で待つ。

 

立合の駆け引きができないと不利である。立合の駆け引きをする方が勝つ可能性を高める。

しかし元一の矢の松田マネージャーは語る。

 

「立合の駆け引きは、所詮は小手先芸で、相撲の本質と別なものなのです。」

 

ルールの改正を提案。

谷風小野川の上覧相撲の故事にならい、

立合の駆け引きをした時点で、大翔丸の負けを宣言して、朝弁慶に軍配。

 

「立合の駆け引きをしただけで負け」は見に来て頂いたお客さんが不満なので、取り直し。二番取る。大翔丸勝てば11敗、負ければ2敗。

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7日目、序二段の取組

謙豊ー時津風部屋、肥後ノ龍ー木瀬部屋、が対戦

245.5キロ対221.5キロ、雑誌相撲9月号のデータ

 

合計467キロ

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@hagurohebi6: 9日目三段目、宇良が前田に勝つ。決まり手「足取り」

立合低く入り前田の右足を取りに行くが取れず、触っただけ。

前田は目の前から相手が消えたので、バッタリ前に手を付く。

足取りという技が決まったのではない。足取りという技をかけにいき宇良が勝った。

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11日目を終わって、照ノ富士全勝、勢1敗、鶴竜2

@hagurohebi6: 明日、突然照ノ富士が休場となったら、勢が優勝する可能性が高い。

 

大相撲は神事であり、スポーツではないので、強い力士と対戦しないで勢が優勝しても、問題はない。

 

一番勝星の多い力士が、神に祝福されると解釈する。

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@hagurohebi6: 木村浩之の相撲絵画

http://hiroyuki-kimura.com/works-s.html

 

汐留のパークホテルにて、1129日まで、

http://www.parkhoteltokyo.com/artcolours/aih/01kimura/01kimura.html

 

羽黒蛇

2014年11月18日 (火)

立合い変化した力士が大敗した珍しい一番(羽黒蛇)

立合い変化した力士が大敗した珍しい一番(羽黒蛇)

 

WW:立合い変化が一発で決まり勝利。WIN(勝ち)X2

W :立合い変化で勝負は決まらなかったが、変化した力士が勝った。

L :立合いで勝負は決まらず、変化した力士が負けた。

LL:立合い変化した方が、一気に負けた。LOSE(負け)X2

 

正確な記録をとっているわけではないが、最近の大相撲を見ている印象として、

WW:5

W :2割 

L :2

LL:1割 立合い変化の力士が一方的に負けるのは10回に1回くらいという印象

 

変化した力士が勝つ確率約7割という印象。WW4割、W3割かもしれない。

立合い変化は弱気で消極的な相撲ではなく、相手の機先を制する積極的な戦法。

 

珍しい十分の一の相撲が、栃煌山が逸ノ城を寄り切った相撲。

いくつかの伏線があった。逸ノ城、先場所立合い変化を連発。待ったの後で変化するのが逸ノ城のパターン。栃煌山は、立合い変化を事前に察知することができた。

逸ノ城が数場所立合い変化を封印した後で、変化したのであれば、勝つことができたであろう。

 

幕下以下で頻繁に立合い変化する力士がいる。現役なら、水口(元祥鳳)、北皇。元直江(のちに十両に昇進して皇風)。

水口は今日10日目に立合い変化して、WW。負けたのは古馬。何故、古馬は相手を見て立たない。疑問である。親方はどんな指導をしているのか。「負けてもよいから立合い当たれ」なのか、「相手は変化するから自分の相撲を変えて見ていけ」なのか。今日の一番を見る限り前者のようだ。

 

先場所の北皇は、正確に数えていないが、7番のほとんどが立合い変化。さすがに対戦相手は警戒して、北皇のWWとはならなかった。

 

昔から相撲をとっている力士経験者、相撲観戦者は、

「立合い変化すると、負ける可能性が高い、危険な作戦である」という思い込みがあるから、栃煌山の勝ちが快挙であることを理解していない。

 

9日目のNHKBS幕下の解説は、元朝乃若の若松親方の発言。「場所前の稽古で、変化で負けたところ、『朝乃若は変化に弱い』という噂が相撲界をかけめぐったので、次の場所、対戦相手が5人も変化してきた。そしてその五番とも勝った」

朝乃若の新十両は平成51月、新入幕が平成63月。20年前は、まだ立合い変化が有利な作戦ではなかったのかもしれない。

 

 

九州場所は、東京場所と客席の雰囲気が違う。周りのお客さんに話かけられる回数が多い。

三段目で、先場所から受磐から改名した盤石が登場。後ろのお客さんから、「今、盤石と言いましたよね。太鼓腹でうっちゃり得意の盤石。」

蛇「失礼ですが、何年生まれですか。」

男性「昭和9年です。」

蛇「双葉山時代の盤石の相撲をご覧になっているのですか」

男性「生では見ていません。ラジオと雑誌で見ています。野球界とか」

盤石は朝日山部屋のしこ名。

 

羽黒蛇

2014年11月13日 (木)

日馬富士、必殺技(羽黒蛇)

日馬富士、必殺技(羽黒蛇)

 

二連敗の日馬富士、立合い左に上手を取りに行き、必殺の上手投げ。㔟は、一瞬で後ろ向きになり、何もできず。

テレビ観戦ではつまらない相撲だろうが、本場所で、決まるところを見ると、若乃花勝治の呼び戻しを見たような(見たことないが、見たとしたら感じたであろう)満足感。これぞ、必殺技。

 

 

本日のスポニチで、四日目の相撲に、貴乃花親方「日馬富士六連勝中の栃煌山にまさかの敗戦」

羽黒蛇は昨日の一番、不調の日馬富士、三連敗とはいえ相撲内容のよい栃煌山は互角と、仕切りを見ながら考えていた。

三日目白鵬を土俵際まで押し込んだ栃煌山。同じ立合いなら日馬富士は負けると。

 

5月場所の後、三場所30勝の栃煌山を大関に昇進させるべきと主張した。7月場所途中休場から上位にもどってきた栃煌山は大関級の実力者。力士としてのピークがこれから来るなら大関昇進の可能性あり。

私が、28勝で大関昇進を主張するのは、昇進基準が厳しすぎて、力士としてのピークが関脇では、力士にとっても、興行としても、具合が悪いから。昇進を甘くして、陥落条件を厳しくすると、弱い大関を減らすことができる。

 

例えば、琴奨菊は、5月場所の510敗で陥落、7月場所の123敗で再昇進が妥当だった。

1-5月場所、30勝の栃煌山が関脇で、22勝の琴奨菊が大関とは、実力と地位がアンバランス。

 

現代の相撲は、四つより押しなので、ばたっと落ちて決まる相撲が多い。

逸ノ城の前に、豪風が落ち、

栃ノ心の前に、松鳳山が落ちた。

勝った力士がはたいたり引いたりしたのではなく、負けた力士が落ちた。

私の周りの九州のお客さん、立合い合わなかったり、変化したりした力士に、非難の声を上げていた。落ちる相撲には失望のためいき。

 

歓声が上がったのは、十両若の里の豪快な下手投げ(玉飛鳥)

常幸龍と遠藤の四つの攻防。どちらも回しを引き付ける有利な四つになれず、相手の有利な体勢を避けようとする。遠藤が技を出す前に体力負けという印象。

豊ノ島は攻めるが照ノ富士重い腰で残す。攻め急ぐと下手投げで逆転されるから、そこで腰を落とす。照ノ富士は防戦だけでなく攻める場面も。最後は下手出し投げで豊ノ島。

 

幕下残り5番目に、照強と千代翔馬。早い動きの相撲で、千代翔馬が内掛けで勝つ。入幕したら技能賞候補。

幕下東10枚目の石浦。4日目は立合いから出足で勝ち、5日目は大柄な宝龍山を、下手出し投げにしとめる。入幕したら技能賞候補。

琴恵光は、立合い左に変わり気味で動き、輝をかく乱するも、体力負け。14敗とまだ十両で勝ち越す実力はないようだ。

 

井筒審判長、幕下最後の一番の協議結果発表で、チョンボ。行司差し違えで若乃島の勝ち、というべきところ、行司差し違えで希善龍の勝ちと言う。私は、軍配通り希善龍の勝ちと言うべきところを間違えたのかと、最初は思ったが、向う上面の審判が、「西、西」と審判長に合図を送っていた。

 

藤島親方、五日目、三段目の審判は赤房下時計係。東の花道から席に着く際に、土俵に塩をまく。この行動は先場所も見た。伝統的な所作を復活させたのか、気になります。

幕下東三枚目阿武咲(おおのしょう)の立合いの手。右手で仕切り線の左端。左手でタイミングをとり、立つ。右手がクロスしているように見える。

 

羽黒蛇@博多

2014年9月30日 (火)

「相手の立合いを見て、とっさに変化しました」は大嘘なのかもしれない(羽黒蛇)

 

「相手の立合いを見て、とっさに変化しました」は大嘘なのかもしれない(羽黒蛇)

 

 

 

照ノ富士が初日立合い変化で琴奨菊に勝った時のインタビュー。NHK録画映像を聞いて正確に書き写すと、

 

「ずっと、初めて入った時から見てたし、なんか付き人といつも話していた、十両上がった時からいつか当たるだろうな、その時一回やってみたいなと、その場でやったんで」

 

 

 

要約:琴奨菊の相撲を十両の頃から研究していた。変化したら勝てるという結論を出した。一回やろうと決めていた。(羽黒蛇の分析:でも、その場でやった、ということにしておきます。)

 

 

 

逸ノ城が13日目鶴竜に勝った時に「場所前の稽古で歯が立たなかったので、立合い変化することを決めていた」という趣旨の発言。

 

 

 

昔から、立合い変化で勝った力士の、「相手の立合いが低すぎたので、とっさに変わりました」という趣旨の発言を、長年信じていたが、これは、ファンにはこう思わせておくという虚構、力士間の掟なのかもしれない。

 

 

 

まさか逸ノ城が立合い変化するとは、力士たちも想像していなかったので、掟を教えていなかった。だから、鶴竜戦の後で、正直に、「変化すると決めて土俵にあがった」と言ってしまった。

 

 

 

照ノ富士は、大関に勝って、うれしさのあまり本音「変化すると決めていた」ことを話したが、途中で掟を思い出し、「その場でやった」と軌道修正した。

 

 

 

立合い不十分の川端が、頭から当たった千代翔馬に吹き飛ばされたのを見て、

 

「相手の立合いを見て、とっさに変化できる」と信じていた私は、

 

何故、川端は、千代翔馬が突っ込んでくるのを見て、変化しなかったのだろうと、考えた。しかし、

 

 

 

相手の立合いを見て変化することはできない。

 

遅くても仕切っている時に決めないと、立合いは変化できない

 

 

 

と考えると合点がいく。モンゴル力士の本音により、霧が晴れたというか、力士の発言を疑うことも必要だと感じた。

 

「相手が低いので変化した」大関栃東が頻繁に言っていた記憶がある。

 

 

 

 

 

立合い変化した方が負けた相撲が思い出せない。記憶に残るような相撲で、

 

若乃花が柏戸相手に右に変化して、下手出し投げ

 

北勝力が千秋楽、勝てば優勝の一番で、白鵬が変化。

 

朝青龍が千代大海を立合い変化で破り、決定戦に。

 

 

 

「横綱の品格 常陸山と大相撲の隆盛」風見明著、2008年刊の204ページから部分引用

 

最近の相撲には、立ち合いで突っかけてくる相手に対して、左または右にかわして叩き落としたりして勝つ相撲が多く見られる。このような立ち合いは昔にはんかあったが、昔なら間違いなく汚い立ち合いと言われたであろう。

 

勝負がこのような立ち合いで決まった相撲は、力相撲・熱戦を期待していたファンをがっかりさせる。

 

最近の代表例として、平成19年初場所初日の大関琴欧州と小結稀勢の里との対戦がある。

 

日本経済新聞によると、『体が勝手に動いた』と琴欧州は弁明したが、場内からはブーイング。」

 

 

 

感想:昔だけでなく、今でも「汚い」立合いと言われる。「美しくない」し、「ファンが見たくない」「ファンに見せたくない」立合い。

 

琴欧州も嘘つきだった???  多分そうなのだろう。

 

 

 

羽黒蛇

 

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